睡眠時間はきちんととっているのはずなのに、「日中の眠気が強い」、「集中力が低下している」などお困りの方は、もしかしたらその原因は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。
睡眠中に呼吸が止まると、血中の酸素濃度が下がり、酸欠状態となり、脳や全身の細胞に酸素を送れなくなります。そうすると、「きちんと寝たはずなのに疲れが溜まる」、「疲れが取れない」などの熟眠感の低下がみられるようになります。良好な睡眠が得られていないと、朝起きた時に倦怠感や疲労感(疲れが残る)を感じ、頭痛が生じたり、日中の眠気も頻繁にみられるようになります。
きちんと睡眠時間を確保しているはずなのに、仕事中や会議中など寝てはいけない時に眠気に襲われることが多い方は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
睡眠中に呼吸が止まらなくても、気道を狭窄する場合は、いびきの症状が出ます。
一緒に住んでいる人からひどいいびきを指摘される場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
舌根が喉に落ち込み気道を狭め、呼吸をしにくい状態が続くと、ストレスホルモンが分泌され、動脈硬化や高血圧、心臓病のリスクに繋がります。
自動車運転の事故のリスクも高くなることが知られており、健常者と比較して約2.5倍事故を起こしやすいことが知られています。
また夜間突然死も睡眠時無呼吸症候群がある方では、健常者と比較して、約2.6倍起こしやすいことが知られています。
睡眠時無呼吸症候群は体型が大きい(太っている)人がなりやすい病気と認識されることが多いですが、小柄な女性でも顔や顎が小さい場合など骨格の影響や扁桃腺の腫大などでいびきや無呼吸が起きたりすることがあります。
飲酒や睡眠薬など筋弛緩作用のある薬の使用などでも、舌根が喉の奥に落ち込み、睡眠時無呼吸が悪化すると言われています。
睡眠時無呼吸症候群の診断について
診断は終夜ポリソムノグラフィーという検査(鼻と指と胸に機械を取り付ける)を自宅で受けて頂き、睡眠中に1時間当たり何回呼吸が止まっているか記録を行い、評価をすることによって診断がつきます。費用は保険診療で約5000円となっております。簡易検査で診断がつかない場合は、精密検査(精密ポリソムノグラフィー)まで行う場合もあります。脳波や筋肉の動きなどより精密な検査になり、多くの施設では入院で行うことが多く、個室代なども含めるとかなり高額な費用がかかります。当クリニックでは、精密検査に関しても自宅で行うことができるので、保険診療で13000円程度(3割負担の場合)で行なっております。
睡眠時無呼吸症候群の診断がつき、条件を満たした場合にはCPAP治療を保険診療で行うことが出来ます。CPAPは鼻を覆うマスクをつけて、鼻呼吸をアシストする機械です。機械から空気が出るので、気道が塞がらず、いびきや無呼吸が改善する装置です。いびきや無呼吸が改善すると、睡眠の質が向上し、熟眠感が増したり、日中の眠気や集中力の低下が治ったりするようになります。
CPAP治療はあくまで治すというよりは症状改善のためのものではありますので、CPAPをやめてしまうと症状は再燃してしまいます。もちろん肥満が影響している場合は体重減少する過程で症状が改善されてきたり、寝方の工夫で症状改善される場合は中止することも可能です。
質の良い睡眠をとれるための方法
良い眠りをとるためのコツがありますので、いくつかご紹介します。
・朝日を浴びて、体内時計のリズムを整えましょう
・光、温度、音など環境を見直しましょう
・入寝る直前の体温を上げる行動(入浴・運動など)は控えましょう
・寝付きを良くするための飲酒は、夜目覚めやすくなってしまうため、避けましょう
・寝る直前のパソコン、ゲーム、スマホの使用は避けましょう
・昼寝は30分までで、15時までには済ませましょう
・就寝4時間前のカフェイン摂取(コーヒー、エナジードリンクなど)、就寝1時間前の喫煙は避けましょう
・夜中に起きてしまっても、なるべく時計を見ずに、アラームをセットして起きるようにしましょう
まとめ
・熟眠感の低下、日中の眠気の原因は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
・診断はポリソムノグラフィー(PSG)という検査を行うことで可能です。検査器は郵送され、自宅で行うことが出来ます。
・診断がついた場合は、CPAP治療で症状が改善可能な場合もあります。
荒川区南千住にある土屋クリニックでも睡眠時無呼吸の検査、治療を行っております。いびきや熟眠感の低下、睡眠中の呼吸停止などの症状でお悩みの方は是非一度ご相談下さい。
■クリニック名
医療法人社団杏音会 土屋クリニック
■院長
土屋 杏平
■所在地
〒116-0003 東京都荒川区南千住7丁目12−15
■電話番号
03-3806-9029