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- 検診に引っかかった方(二次検査)
「病気の前兆」と捉え、早めにご相談ください
健康診断や人間ドックは、自身の健康について考える大切な機会です。異常があったり再検査が必要だと指摘されたりしたときは、病気のサインかもしれません。しかし、「面倒」「病気が見つかるのが嫌」などを理由に、なかなか受診しない方が多いのが現状です。インターネットで様々な情報が得られる時代ですが、薬を飲むべきなのか、より詳しい検査が必要なのかなど、詳しいことは専門の医師に聞くほうが簡単で安心できるのではないでしょうか。
まずは、現在の状況や治療の必要性なども含め、アドバイスさせていただくので、お話だけでも聞きに来てください。
健康診断の判定区分について
A:異常なし
B:軽度異常
C:要再検査・生活改善
D:要精密検査・治療
E:治療中
上記は、日本人間ドック学会の判定基準ですが、健康診断を受けた医療機関や実施する自治体によって、判定区分に違いがあります。また、前回の結果やこれまでの病歴などを加味するため、本来の所見とは違う判定が出ることもめずらしくありません。結果はあくまでも参考値と捉え、過信は禁物です。
検診で引っかかることの多い項目
血圧
最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上続く場合、高血圧と診断されます。動脈に大きな負担がかかるため、動脈硬化を進行させ、命に関わる病気に繋がるリスクも高まります。塩分の多い食事や過剰な飲酒、ストレスなどの環境因子が関連することもあり、日常生活の見直しが必要です。
高血圧で疑われる病気
- 脳梗塞
- 脳出血
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 腎不全
- 解離性動脈瘤 など
血液検査(貧血)
貧血を指摘された場合、血液中の赤血球やヘモグロビンが減少していると考えられます。貧血になると全身に酸素が行き渡らなくなり、頭痛、めまい、立ちくらみ、顔色が悪い、疲れやすいなどの様々な不調が現れます。貧血は特に女性に多く、原因をしっかりと探ることが大切です。
貧血で疑われる病気
- 鉄やビタミンの欠乏による栄養障害
- 腫瘍やがんなどの消化器疾患
- 腎不全
- 関節リウマチ
- 子宮筋腫などの婦人科疾患 など
血液検査(肝機能)
GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTPなどの数値に異常がある場合は、肝臓の機能が低下していることを疑います。しかし、肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように、病気があってもほとんど症状が現れないため、受診が遅れがちです。放置していると、病気が進行してしまう可能性があるため、症状がなくても早い段階で詳しい検査を行うことが大切です。
肝機能の数値で疑われる病気
- 慢性肝炎
- 脂肪肝
- 肝硬変
- 肝不全
- 肝臓がん など
血液検査(血糖)
血中のブドウ糖の濃度を示す血糖値が高い場合、糖尿病やその予備軍である可能性が高まります。血糖値は食事や運動で大きく変動するため、健康診断では厳しい基準で判定されます。糖尿病は深刻な合併症も多く、無視できない病気なので、異常が指摘されれば必ず受診が必要です。
血糖の数値で疑われる病気
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症
- 腎不全
- 膵腫瘍
- 糖尿病の合併症として、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞 など
尿検査
尿検査では、尿糖や尿たんぱく、尿潜血などを調べます。腎臓や膀胱など、おしっこの通り道に関わる疾患だけでなく、糖尿病などの判定にも有効です。いずれにせよ、異常が指摘された場合はどこに原因があるのか、しっかりと検査しておく必要があります。
尿検査で疑われる病気
- 慢性腎臓病、腎炎、尿路感染症など
- 前立腺炎や泌尿器系の悪性腫瘍など
- 肝炎や胆管結石など
- 糖尿病など
血液検査(脂質異常)
総コレステロールやLDLコレステロール、中性脂肪(TG:トリグリセリド)が高い場合は、脂質異常症の可能性が高いです。
一度の検査で異常値の場合は大きな問題にはなりませんが、高値が続く場合には動脈硬化の進行や食生活の見直しや運動療法によって数値の改善が必要です。数値によっては内服治療が必要となりますので、一度ご相談下さい。
脂質異常で疑われる病気
- 家族性高コレステロール血症
- 甲状腺機能異常
- 脂質異常症の合併症として脳梗塞、狭心症、心筋梗塞など
ピロリ菌陽性
ピロリ菌の検査で陽性であった場合は、除菌療法を行うことをお勧めします。ピロリ菌が陽性のまま放置しておくと、胃潰瘍や胃癌のリスクが上昇することが知られています。
荒川区では胃癌リスク検査として、血液検査でピロリ菌抗体検査、萎縮度のチェックを行っています。他院でピロリ抗体を指摘された方も対応しております。
除菌療法を行う前に一度胃カメラを行い、胃がんや胃潰瘍など病気がないことを確認することが必要です。まずは一度ご相談下さい。
腫瘍マーカー高値
CEA、CA19-9、SCCなどの数値が高値の場合は、がんの可能性も考えられます。腫瘍マーカーの種類によって、疑われる癌の臓器が異なりますので、まずは受診して頂き、再検査や精査が必要かどうか相談して下さい。
例
- CEA:胃がん、大腸がん、肺がん、胆管癌、卵巣癌など
- CA19-9:すい臓がん、胆嚢がん、胆管癌など
- SCC:肺がん、食道がんなど
- AFP,PIVKA-II:肝臓がんなど
バリウム検査異常
胃のバリウム検査で異常が指摘された場合は、一度内視鏡(胃カメラ)での精査が必要です。胃カメラは胃の粘膜を直接観察することで、病気の早期発見に役立ちます。
内視鏡検査について、まずは受診をして頂き、医師から説明を受けて下さい。
バリウム検査異常で疑われる病気
- 胃がん
- 胃潰瘍
- 慢性胃炎
- ピロリ感染症
- 胃粘膜下腫瘍など
便潜血陽性
便潜血検査が陽性となった場合は、内視鏡検査(大腸カメラ)を受ける必要があります。便潜血が陽性の場合、約30%近くの方に大腸ポリープが見つかり、約3%の方に大腸癌が見つかると言われています。
小さいポリープの状態で見つかれば、外科手術をせずに内視鏡治療で完治することも可能です。症状が全くない方であっても、まずは内視鏡検査の相談を医師にして下さい。
便潜血陽性で疑われる病気
- 大腸がん
- 大腸ポリープ
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 痔 など