高血圧

予防・改善ができる病気です

予防・改善ができる病気です

私たちの身体には、常に血液が行き来し、酸素や栄養素を全身に届けています。心臓がポンプのように血管に圧力をかけることで、規則正しく血液が流れているのです。
心臓から送り出された血流が血管の壁を押す力を「血圧」と言い、「最高血圧」は心臓が収縮したときの血圧、「最低血圧」は心臓が拡張したときの血圧のことです。
血圧は常に一定ではなく、測定する時間帯や季節、食事、運動など、様々な原因で変動します。一時的に高い数値が出るなら問題はありませんが、安静にしているときや何度測っても高い状態(140mmHg/90mmHg)が続く場合を「高血圧症」と言います。

高血圧症は、喫煙と並んで生活習慣病での死亡に最も大きく影響すると言われています。様々な病気を引き起こす一方で、普段の生活から予防・改善が期待できるのが特徴です。適切な治療と生活習慣の見直しで、対策を行っていきましょう。

高血圧の主な合併症

収縮期血圧20mmHg、拡張期血圧10mmHgずつの低値が心血管イベントのリスクを半減させます。

Chobanian AV et al. ;Seventh report of the Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure. Hypertension. 2003 Dec;42(6):1206-52. doi: 10.1161/01.HYP.0000107251.49515.c2. Epub 2003 Dec 1. PMID: 14656957.

高血圧の原因と主な合併症

高血圧症の約90%は原因がわからないものであり、遺伝的な要素に加え、生活習慣などの環境因子が大きく関わっていると考えられています。

高血圧の原因

  • 塩分の摂りすぎ
  • 運動不足
  • 肥満
  • 喫煙
  • 過度のアルコール摂取
  • 精神的なストレス
  • ビタミン・ミネラルの不足
  • 遺伝による体質 など

高血圧の主な合併症

高血圧の主な合併症 高血圧の主な合併症

高血圧の治療について

生活習慣の改善

高血圧の改善には、生活習慣の見直しが基本です。これまで通りの生活を続けていれば、治療効果が出ないだけでなく、他の生活習慣病や合併症が進行する可能性もあるからです。以下のポイントに注意しながら、改善を図りましょう。
また、クリニックでは、患者様の状況をお聞きしながら、食事や生活面でのアドバイスを行っていきます。ご不明な点は、いつでもご相談ください。

減塩

塩分を摂りすぎると体内に水分がたまり、血液量を増やしてしまうため、血圧が上昇します。目標は塩分摂取量を1日6g未満にすることですが、急に厳しい減塩に取り組むと物足りなさを感じ、継続できなくなってしまいます。1日1g減塩するだけで、約1mmHgの血圧低下が見込めるので、徐々に減らしていくようにしましょう。

減塩 減塩
減塩のポイント
  • だしの旨味を活かし、調味料を少なめにする
  • 酢・レモンなどの柑橘類・香辛料を使ってアクセントをつける
  • しょうゆやみそは減塩のものを選ぶ
  • インスタント食品を控える
  • 麺類のスープは飲まない
運動・減量

散歩やラジオ体操などの軽い運動は血行を促し、血圧を低下させます。ただし、急に激しい運動をすることはおすすめしていません。肥満度と合わせ、どの程度の運動が必要か、どれくらいまで減量するべきかなど、相談しながら取り組んでいただきます。

節酒・禁煙

アルコールの摂取目安は、1日にビールなら中瓶1本、日本酒なら1合までと言われています。また、喫煙は血液の流れを悪くし、動脈硬化の原因となるため、合併症のリスクが上がります。禁煙外来なども利用しながら、完全に禁煙することを目指していきましょう。

ストレスの軽減

ストレスを全てなくすことは難しいですが、趣味や気分転換の時間を作ったり、睡眠時間をしっかりと確保したりすることで、軽減できます。特に寝不足は高血圧の原因の一つになるため、休養を十分にとりましょう。

毎日の血圧チェック

血圧は常に変化するため、毎日同じ時間に同じ状態で自己測定し、チェックしておくことが大切です。

自己測定のポイント
  • いつも同じ姿勢・時間で測るようにします。
  • 上腕で測るタイプの測定器がおすすめです。
  • 朝は起床後1時間以内・朝食や服薬する前に、夜は就寝前に測定します。
  • 測定値は毎回記録し、来院時にお持ちください。

薬の服用

生活習慣の改善に取り組んでも、十分に血圧が下がらない場合は、血圧を下げる薬の服用を検討します。血管を広げて圧力を減らすものと、血液が流れる量を減らすものなどがあり、それぞれ注意点や副作用についてしっかりと納得いただいた上で処方します。
服用中は、必ず用法・用量を守り、自己判断で中断することのないようお願いします。

診察室血圧(mmHg) 家庭血圧(mmHg)
75歳未満の成人 <130/80 <125/75
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)
冠動脈疾患患者
慢性腎臓病患者(蛋白尿陽性)
糖尿病患者
抗血栓薬服用中
75歳以上の高齢者 <140/90 <135/85
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価)
慢性腎臓病患者(蛋白尿陰性)

※表は左右にスクロールして確認することができます。

高血圧治療ガイドラインを参考に作表

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