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8−9年振りの大流行が話題のマイコプラズマ肺炎について

2024.08.20

“肺炎”の原因となるウイルス・細菌は沢山あります。その中でも2024年夏真っ盛りの中、ニュースで流行・感染拡大が話題になっている“マイコプラズマ肺炎”について今回は解説していきます。

今年の流行・感染拡大は過去10年で最多のペースで2023年と比較しても約50倍ともいわれています。

(東京都のマイコプラズマ肺炎感染状況についてはこちらから)

都内のマイコプラズマ肺炎患者数が過去最多とニュースでも報道されています(2023/10/3 NHKニュース)。マイコプラズマ感染症(Mycoplasma pneumonia)について解説しております当コラムも是非参考にして頂けますと幸いです。

マイコプラズマ肺炎の特徴

マイコプラズマ感染症の特徴としては、「数日続く38℃以上の高熱」、「頑固な咳(長いと3-4週間続く)」、「空咳(痰のない咳)」などが挙げられます。

肺炎と聞くと、基礎疾患や高齢者がなる印象がありますが、マイコプラズマは子供や若者も感染することが多いです。

マイコプラズマは気管支炎、肺炎と下気道に感染しますが、症状としては多彩で、咽頭痛、鼻汁、頭痛、関節痛、倦怠感、紅斑(赤くて淡い斑状の皮疹)などもあるので、ウイルス性疾患と同じような症状を呈します。

ウイルス性疾患と異なる点としては、抗生物質の治療の効果があるということです。

ただし、一般的な肺炎に対してよく使用する、ペニシリン系、セフェム系といった抗生物質は効果がなく、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系といった抗生物質で治療を行います。

耐性を持ったマイコプラズマも増えており、効果があるはずの抗生物質を使用しても症状が改善しないという厄介なケースもあるので注意が必要です。

診断について

マイコプラズマは、肺炎を起こした場合は胸部レントゲン写真で肺炎像が分かります。

マイコプラズマの検出は喀痰培養検査や血液検査で抗体をみて、診断をする場合もありますが、時間が数日から2週間近くかかるので、臨床的には抗原検査やL A M P法といった方法で診断することが多くなっています。当院でもマイコプラズマを疑った場合は咽頭ぬぐい液による抗原検査(約15分で結果が分かります)を行っています。

 

まとめ

マイコプラズマが急激な流行を起こしているため、高熱、頑固な咳が続く場合は、マイコプラズマ肺炎の可能性があります。

コロナやインフルエンザなどのウイルス性疾患との見分けは難しいですが、胸部レントゲン検査や抗原検査などを行い、診断をつけて、適切な抗生剤での治療を行うことが大事です。

マイコプラズマは以前から数年に1度流行し、4年に1度のオリンピックの年に流行の周期があったことから、「オリンピック肺炎」の別名もありましたが、近年ではその周期で流行を起こしていませんでした。奇しくも今年はパリオリンピックの年でしたね。コロナやインフルエンザほどは感染力は強くはありませんが、咳の飛沫感染で伝染りますから咳が出る場合はマスクをして咳エチケットを心がけましょう。

 

東京都荒川区南千住で内科・消化器内科を中心に診療を行っています。

様々な症状・健康問題について相談に乗っておりますので、お近くにお住いの方は気軽にご相談下さい。

当院では肺炎の見逃しをなるべく減らすべく、胸部レントゲンのAI診断支援ソフトを活用しております。マイコプラズマ肺炎の可能性がある方はご相談下さい。

■クリニック名

医療法人社団杏音会 土屋クリニック

 ■院長

土屋 杏平

■所在地

〒116-0003 東京都荒川区南千住7丁目12−15

電話番号03-3806-9029

03-3806-9029

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