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帯状疱疹ワクチンが2025年4月から定期接種化になりそうです

2024.12.19

今回は、ニュースで話題となっている「帯状疱疹ワクチンの定期接種化」について解説させて頂きます。

帯状疱疹とは

水痘ウイルスが原因で皮膚に痛みや痒みを伴う発疹が出る病気です。水痘ウイルスは幼少期に多くの方が感染し、神経に長年潜伏します。成人の約90%が水痘ウイルスを保持していると言われています。

神経に潜伏していたウイルスが、体力低下や免疫の低下を理由に再活性化し、神経の走行に一致した水疱(水ぶくれ)を形成した皮疹(ブツブツ)が生じるのが特徴的です。

皮疹出現の3-5日前に75%の方で痛みや違和感を感じると言われており、早めの治療を行ったほうが皮疹が拡がらず皮膚に跡が残りにくく、痛みやしびれの後遺症を防ぐことが出来ますので、おかしいなと思った場合は早めに内科や皮膚科の先生に相談されるのが良いと思います。

帯状疱疹後神経痛の頻度は50歳を超えると20%、80歳を超えると35%と言われており、年齢と共に後遺症を残す可能性も高くなることが知られています。

後遺症が残る場合は、長期間鎮痛剤の定期内服や注射の治療などが必要となる場合もあります。

帯状疱疹は50歳以上で発症率が高くなることが知られており、年齢と共に免疫の低下がみられることや、小児水痘患者が減少し、水痘ウイルスへの暴露機会が減少したことが原因と考えられています。

80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。

帯状疱疹の発症に関連がある疾患として、がんや高血圧、糖尿病、自己免疫性疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、腎不全などが知られています。

例えば、疾患がない方に比べて糖尿病がある方は約2.4倍、悪性リンパ腫がある方は約8.4倍帯状疱疹になりやすいという報告もあります。

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹ワクチンは、生ワクチン不活化ワクチン(サブユニットワクチン)の2種類があり、生ワクチンは以前から小児水痘の予防ワクチンとして使用されていたものをもう一度接種するというものです。不活化ワクチン(サブユニットワクチン)はシングリックスというここ数年で新たに開発されたワクチンで、2回接種を行うことで帯状疱疹の発症予防や神経痛の後遺症の予防効果が生ワクチンと比較して高いものとなっています。

生ワクチンは10年後の予防効果が落ちてしまうことが知られていますが、シングリックスでは接種後10年経っても予防効果が落ちにくいことが知られています。

一度帯状疱疹にかかったことがあっても、ワクチン接種することは問題ありません。発症後どのくらいの期間をおいたらよいのかという決まりはありませんので、症状が落ち着いたら接種可能となります。

帯状疱疹は再発することがある(再発率は約6%)ので、一度発症したことがある人でも再発予防や再発時の後遺症予防として、ワクチン接種は推奨されます。

これまでも多くの地方自治体でワクチンへの助成が出ており、荒川区でも事前の申請が必要にはなっておりましたが、約半額の助成が出ております。

定期接種化について

厚生労働省から2024年12月18日に65歳において帯状疱疹ワクチンの定期接種化、費用の一部公費負担されるとの発表がありました(NHKニュース 2024/12/18)。66歳以上の方も、経過措置として5年間は接種が可能となるようです。

負担額の詳細などは追加の発表を待つ必要がありますが、ワクチンの金額がネックで悩んでいた方は定期接種化されるまで待たれてもよいかもしれません。

勿論、帯状疱疹の発症リスクを早く抑えたい、なるべくワクチンを早く打ちたいという方は、定期接種化される前でも地方自治体の助成を利用してワクチン接種を行ってもよいと思います。

 

まとめ

・帯状疱疹ワクチンが2024年春から定期接種化される予定です。

・65歳が対象になりますが、5年間の経過措置の期間は65歳以上も対象となる予定です。

・多くの方が帯状疱疹発症のリスクはありますので、痛みや後遺症が心配な方は、ワクチン接種をご検討下さい。

■クリニック名
医療法人社団杏音会 土屋クリニック

■院長
土屋 杏平

■所在地
〒116-0003 東京都荒川区南千住7丁目12−15

■電話番号
03-3806-9029

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