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ノロウイルス大流行中!胃腸炎に感染したらどうする?のギモンに答えます

2025.03.14

最近ニュースでノロウイルスの集団感染などが大きく取り上げられていますね。

新しい型のノロウイルスが流行しており、これまでの免疫を持っていない方が多く、ここまで大流行しているのではないかともいわれております。

今シーズン1回感染した方でも、2回目感染する可能性もありますので、是非ご注意下さい。

今回は流行している感染性の胃腸炎に対して解説を行っていきます。

胃腸炎の原因は?治療は?

胃腸炎の原因は細菌、ウイルス、様々な種類があります。細菌性だと、大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、黄色ブドウ球菌などが代表的で、ウイルス性だとノロウイルス、アデノウイルス、インフルエンザ、コロナなどでも胃腸炎の症状が出現することがあります。

細菌性・ウイルス性の場合でも基本的には下痢や嘔吐で原因菌が排出されてしまえば改善することが多いです。ただし、細菌性の場合、免疫機能が元々低下していたり、高齢や小児、炎症が強く腸管出血を伴う場合、高熱が続く場合、海外渡航歴がある場合などは抗生剤による治療が必要な場合もあります。その判断はやはり医師による診察が必要になりますので、まずは医療機関に相談するのがよいと思います。

ノロウイルスの診断は便検査で行うことで可能ですが、すべての人が保険適応にはなりません。なので、多くの医療機関では検査を取り扱っていることが少ないです。牡蠣を食べた、周りでノロウイルス感染が流行しているといった問診から臨床診断を行うことが多いです。ニュースになるような集団感染の場合は保健所を通じて検査が行われる場合もあります。

胃腸炎の症状は?

症状は嘔気嘔吐、下痢、腹痛、場合によっては発熱や関節痛、倦怠感、血便などを伴うこともあります。多くの場合は嘔気→腹痛→下痢の順番で症状が出ることが多いと言われています。上から下に症状が出るイメージです。強い腹痛の後、嘔気嘔吐が続く場合はもしかしたら流行りの胃腸炎ではなく、虫垂炎や胆嚢炎などの可能性もありますので、一度医療機関で精査を行うことをおすすめします。腹部エコー検査やCT検査などを行うと診断をつけることが出来ます。

嘔吐や下痢が続くと、体内の水分が減少していき、脱水症になる場合もあります。倦怠感や意識がぼーっとしたり、舌や唇の乾きが顕著になります。自身ではなかなか気づきにくい場合もあります。ご家族や介護をされている方がそのような兆候をみたら、水分摂取を促す、または医療機関で点滴をすることをお勧めします。

嘔気・嘔吐が強いと、水分を摂っても吸収される前に吐いてしまいます。水分摂取のコツとしては、「少量ずつ、こまめに」水分摂取を行うことです。気持ち悪さが強い場合は、ポカリスウェットやOS-1などをボウルに入れて、小さじのスプーンで舐めるように飲むことをお勧めします。

医療機関で吐気止めを処方された場合は、内服して頂くと吐気が一時的に収まり、水分や食事が摂れるようになるので、その間に水分や食事を摂取するようにして脱水が進行しないようにしましょう。

多くの場合は原因菌が排出されて、免疫細胞が活動してくると症状は落ち着くので、2-3日くらいで収まることが多いです。

胃腸炎の予防法は?

まずは、感染のリスクが高いものは食べることを控えることをお勧めします。ノロウイルスに関していえば、生牡蠣です。ノロウイルスは85度以上で90秒以上加熱すると死滅するとは言われますが、比較的熱に耐性が強いウイルスです。カキフライや焼き牡蠣でも中心まで熱が通っていないと、感染するリスクはありますのでご注意下さい。また同じ店で同じ料理を食べたとしても、症状が出る人、出ない人(保菌状態)がいることもあります。ノロウイルスでは摂取後、数時間から48時間程度で症状が出現することが多いと言われております。ノロウイルスはアルコール消毒は効果はなく、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)による消毒が必要になります。家庭にあるものだとキッチンハイターで消毒可能です。嘔吐や便で汚染された部分の消毒に使用下さい。

家庭内や職場の感染予防としては、手洗いが重要になります。嘔吐や下痢をした際にウイルスが手に付着するとそれを様々なところに撒き散らしてしまう恐れがあるので、感染者自身も手洗いが重要になってくるのと、伝染されないためにも手洗いが大事です。石鹸で泡立てて流水で流す手洗いを行って下さい。

まとめ

今回は流行している胃腸炎に対しての解説を行いました。

・胃腸炎には細菌性、ウイルス性があり、症状が強い場合や基礎疾患、海外渡航歴がある場合は抗生剤の治療が必要な場合があります。

・症状は2-3日くらいで収まることが多いですが、薬を上手く使うことで脱水の予防も可能なので、症状が強い方は医療機関を受診しましょう。

・予防は手洗いが重要です。ノロウイルスにはアルコール消毒は効果がないので注意が必要です。

(余談ですが、私も今年のはじめにノロウイルスに感染し、胃腸炎になりました。嘔吐、下痢で夜も眠れず、徹夜でトイレに篭っており、翌日は動けませんでした。生牡蠣を食べてしまったのが原因でした。もう一生生牡蠣は食べないと誓いました。)

■クリニック名
医療法人社団杏音会 土屋クリニック

■院長
土屋 杏平

■所在地
〒116-0003 東京都荒川区南千住7丁目12−15

■電話番号
03-3806-9029

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