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胃腸炎かと思ったら、実は違う放っておくとキケンな病気

2024.06.18

腹痛や下痢、嘔吐などの症状がある時、胃腸炎の可能性は確かに高いです。

ただ、実は胃腸炎ではなく、放っておくとキケンな病気のこともあるので、どういった徴候などに注意すれば良いか本日は解説します。

 

まず、”胃腸炎”とは一般的に”感染性腸炎”のことを指し、細菌やウイルスに感染し、それを身体が受け付けずに外に排出しようと胃腸が激しく動き腹痛が生じ、上から出る場合は嘔吐、下から出る場合は下痢となります。体の反応が強い場合は熱が出ることもあります。多くの場合は数時間から数日で細菌やウイルスは排出され、寛解に向かいます。

この一般的な経過と異なる場合は、胃腸炎以外の病気を疑います。

 

虫垂炎

腹痛や嘔吐、発熱の症状が強く出る場合は虫垂炎(一般的によく“盲腸”と言われるものです)かもしれません。虫垂炎の場合は胃腸炎とは異なり、腹痛から始まり、その後嘔吐や発熱が生じます。初めはみぞおちの辺りが痛かったのに、段々と右下腹部の方に痛みが移動します。歩いて響いたり、咳を出すと響く程の痛みの場合は腹膜炎といって腸の外側まで炎症が強く広がっている可能性もあります。この場合放っておいても改善することは少ないですから、近くの消化器専門のクリニックなど医療機関に相談しましょう。診察や腹部エコー検査、腹部CT検査などで診断は可能です。

 

腸閉塞

腸の癒着(ゆちゃく)やヘルニアなどが原因で腸の流れが悪くなり、下に流れていかなくなるため、嘔吐が止まらなくなり、下痢の症状は胃腸炎に比較して少ないです。腹部手術歴(お腹の手術をしたことがある)がある場合は、腸が癒着していることが多くなりますので、嘔吐が止まらない時に医療機関を受診する際には、問診票の既往歴にきちんと記載するか、医師に伝えるようにしましょう。こちらも放っておいても改善することは少ないですから、近くの消化器専門のクリニックなど医療機関に相談しましょう。腹部レントゲン検査や腹部エコー検査、腹部CT検査などで診断は可能です。

 

SMA(上腸間膜動脈)症候群

ニュースなどで病名を聞いた方もいるかもしれませんが、こちらも胃腸炎と誤診されてしまうことがあります。若い年代(1030)で痩せ型の方がこの病気にかかりやすいと言われています。痩せていると動脈の周囲の脂肪が少なくなり、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間が狭くなり、その間を通る十二指腸を塞いでしまうことがあります。十二指腸から先に食事や水分、胃液も進んでいかないので、胃がパンパンに張り、激しい嘔吐が続き、吐き気止めを使っても改善されません。水分が摂れずに脱水が進むと命の危険もありますから、嘔吐が続いて水分摂取が出来ない場合は消化器専門のクリニックなど医療機関に相談しましょう。診断は腹部レントゲン検査や腹部エコー検査、腹部CT検査などで可能です。

 

胃腸炎だと思ったら、実は心筋梗塞や脳卒中など胃腸以外の病気だったということもあります。

他にも多くの鑑別疾患(胃腸炎と同じような症状を起こす病気・病名)はありますが、今日はこの辺にしておきます。 

 

まとめ

通常の胃腸炎では数時間から数日で改善傾向に向かうことが多いです。

激しい嘔吐や強い腹痛がある場合、下痢があまり見られない場合、水分や食事摂取が出来ない程ひどい場合は、胃腸炎以外の病気の可能性もありますので、一度消化器専門のクリニックに受診し、診察や検査を受けてみることをお勧めします。

 

■クリニック名

医療法人社団杏音会 土屋クリニック

 ■院長

土屋 杏平

■所在地

〒116-0003 東京都荒川区南千住7丁目12−15

電話番号03-3806-9029

03-3806-9029

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